日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

土佐礼子・・・

 土佐礼子、走る前からそれなりに無理ではと予想はされていたことだったらしい。野口の突然の棄権で、周囲の期待が大きかっただけに、突っ走るしかなかったのだろう。
 頂点に上り詰めると、その後の皆の期待は、頂点の維持となる。王者は、周囲に弱音が吐けない。孤独だ。周りの応援がかえってプレッシャーとなって本人を追い詰めてしまうことだってある。しかもオリンピックは、4年間がたった1日に集約されての戦い、しかも、決められたわずか2時間足らずの時間帯での勝負だ。
 1発勝負ってこと、人生では度々ある。受験だってそうだ。その時に最高潮に持って行けるかどうかだ。本当の実力と、その時の成績、100%一致している訳ではない。それも実力と言われればそれまでだが。 共産圏のある国では、国同士の戦いでは、その勝ち負けでその後の家族の生活費が決まってしまう例もある。そうなると、どうしても勝たないといけなくなるので、つい、ドーピングなど不正なことに手を出してしまうこともある。
 オリンピックを人口の多い国で見てみると、インドやブラジルやパキスタンバングラデシュやナイジェリアなどは、世界の国別の人口の数では、ベスト10に入っているのに、メダルの数、少ない。発展途上の国々では、政府がそれなりに力を入れていないからだろう。
 一発勝負の世界は、入学試験なども含めて、精神的な面がかなり大きい。どうしても失敗が許されないとなると、過度に緊張してしまって、本来の力が出せなくなる。諦めて開き直った時、かえって、自分の本来の力が出せることが多い。
 失敗しても、それで、人格まで全てが否定される訳ではない。皆が優秀でも、勝負をつけないといけない。何事も、どんな局面になっても、考え方にもゆとりが大切だと思う。
 人生には、確かに、負けることの方が多い。若い時にいい負け方を沢山して、それ等を肥やして成長してきている人、強いなあ。