日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

自分との闘い・・・

 昨日は、北島旋風が日本列島を駆けめぐって感じの日だった。北京五輪の競泳男子100m平泳ぎ決勝で、北島康介日本コカ・コーラ)が世界新記録の58秒91で2連覇を遂げたのだ。
 もう、10回以上も、同じシーンを見てしまったが。彼が男泣きに泣いている。今までの苦労がドッと思い出されたのだろう。
 「ありがとうございます」これが、インタビューの一番初めに出た言葉だった。そこには、強さと優しさを持った、正に、25歳の日本人のサムライの姿があった。そんな北島の姿に、イチローは、「4年に1度に合わせての金メダル、素晴らしい」と絶賛し、更には、「北島は、魚類か?」などと冗談まで飛ばしているが。
 自分の実力が伴っていないのに、マスコミなどで異常に期待される重み、その重みは、過去に王者を経験したものにしか分からないと思う。マラソンの高橋選手も、柔道の谷選手も、それを味わってきていると思う。
 アテネで金以来、北島は不調に悩み、一時は、引退まで考えていたみたいだ。モチベーションを落とし、弱音を吐いていた。しかし、そのどん底からハンセンを目標にして頑張ることを決意し、又も、金メダルをもぎ取ってしまったのだ。
 肝心のハンセンの目標が、他の選手に代わり、又、前日の準決勝での前半のハイペースを反省して、平井伯昌コーチの「勇気を持って、最初はゆっくり行け」との作戦を忠実に守り、前半のストローク数は200mのレース並みに少ない16回とし、勝負どころと踏んだラスト10〜15mもスピードは落ちることなく、日本記録の59秒44を一気に0秒53も更新して、金メダルに彩りを添えた。
 正に、自分との勝負に克ったと言えよう。それを目標にしていたアメリカのハンセンや、2位のノルウェーのオーエンも、そんな北島を祝福していた姿は、とてもすがすがしく思えた。
 (武豊が旗手でのディープインパクトの走りを思い出した。人生も、受験勉強などであまり初めに気負い過ぎて走り過ぎると、いけない感じだなあ。人生80年もある訳だから。落ち込んでも、又、自分なりに目標を持てて、自分なりに頑張れる強さが必要かなあ・・・)

 又、今回、凄いことをやってくれた二人がいた。
 大分県出身の末綱聡子(27)、熊本県出身の(鹿児島県で生)前田美順(22)組のバトミントンチームである。
 アテネ五輪金メダルで世界ランク1位の楊維、張潔ブン組(中国)をセットカウント2ー1で下す大金星を挙げ、日本勢初となる準決勝に進出したのだ。
 第1セットは8ー21と完敗で取られたが、第2セットで23ー21と競り勝ち、相手への大歓声の中でも、勢いに乗って第3セットも21ー14で押し切った。勝った瞬間、2人はラケットを放り出してコートに座り込み、喜びを爆発させた。
 末綱聡子「信じられない。まさかここまでくるとは思わなかった。せっかくの舞台なので、後悔したくなかった。倒れてもいいと思うくらい攻撃し続けた。ここまできたら、メダルを狙いたい」
 前田美順「言葉にするのがもったいないくらい、うれしい。(第1ゲームを落とした後)このまま終わるのは悔しいと思い、第2ゲームから開き直った」
 あまり期待されていなかった二人、初めのセットを大差で取られた時には、せっかくここまで来たのだから、ちょっとだけでも続けられる様に頑張ろうと思ったとのこと。
 正に、自分との闘いに勝利したと言えよう。
 ところで、この二人に対する日本の応援団、まさか勝つとは思っていなかったので、準決勝を応援することなく、日本に帰ってしまうとのこと?!