日本の心・さいき

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咳止め雑感

 去痰剤として医師になりたての頃よく使っていたビソルボンなる去痰剤、これって、痰が多くなるだけで、却って良くない感じがしているが・・・。レフトーゼやノイチ ームなどの去痰剤、子どもではアレルギーが怖くて、使い難いと思っています。よく使われているムコダイン、発疹が出た子がいましたが、めったになかったことなので、私は、ムコダイン+ムコソ ルバンを頻回に使用しています。
 去痰剤を使用したその夜は、かえってよく咳が出ることが多いので、親御さんにはそう説明しています。2晩目からは、咳が軽くなることが多いです。去痰剤と同時に気管支拡張剤のメプチンやホクナリンテープを処方することも多いですが、メプチンで副作用の出る子がたまにいます。メプチンよりも頻度は少ないですが、ホクナリンテープでも、気分が悪くなる子が時にいます。
 小さな子どもの場合には、その多くで咳止めは無意味なことが多いと私自身は思っています(全てではないが、大半が)。小さな子どもの場合、直ぐに湿性の咳になることが多く、咳止めで却って治りを悪 くしているのではと思うことが経験的に多いです。
 抗ヒスタミン剤(ペリアクチンやポララミンなど)+アスベリンでは、痰が粘稠になって、却って良くないのではと思っていますが、この処方をされているケース、多いですね。むしろ、乳児の喘鳴では、私自身の個人的な意見では、禁忌ではとまで思っていますが・・・。
 (冬に乳児に多くRSウイルスが原因のことが多い)細気管支炎での吸入は、吸入の時間や回数など、点滴の速度と同じく、かなり細かく診てして行くべきだと思っています(私の場合、早期から漢方薬の清肺湯を使用していますが)。
 時に、細気管支炎と思っていたら、クループや喘息のこともありますし、又、細気管支炎と合併していることもあり、兎に角、小さければ小さい程急変することが多いので 、随時よく診ることが必要だと思っています(3カ月未満は、小児科医にとっても、急変するだけにその判断は難しいです)。
 抗生物質は、当たり前ですがウイルスには無意味(しかし、麻疹の時には、免疫力が落ちて細菌感染を引き起こすことが多いので、抗生剤をしばしば使用することがありますが)。強い抗生剤は、個人的には、腸内細菌のバランスを強烈に崩すので、禁忌とさえ思っています(やむなく抗生剤を使用した後は、殆どの例で、漢方薬を追加していますが)。
 退院後に咳が止まらず、その原因が何かよく分からず、長いこと掛かって父親(時に母親や祖父)の喫煙と判明したことがありました(最近では、咳が止まらない場合、まず、同居の人の喫煙の有無を尋ねています)。つい最近の痛い経験では、大きな子どもの百日咳( 百日咳の多くでは、熱がなく、予防接種をしていたり、大きな子どもさんですと百日咳独特の咳をしないことがあります)があり、(独特の咳を典型的にするまで百日咳を疑わなくて)見落としていました。