日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

教育はどうあるべきか・・・

教育には、家庭教育、学校教育、社会教育とあり、それ等が複雑に絡み合っている。その中で、学校教育を中心に述べたい。
 よく言われるのは、小学校では、学校の授業に付いていけない子が3割、中学では5割、高校では7割もいるということである。大学では、どうだろうか?大学に入っても、高校の科目を履修しているケースもあるが、全くおかしな話だ。
 日本では、ちゃんとした落第制度が機能してない。小学校や中学校の義務教育では、出席日数が足りていれば、まず上がれる。これがそもそもおかしい。出来なくても何故上の学年に上がれるのか?教師としての誇りや信念がそこにはないのか?!
 塾に行く子が多い。何故、塾に行くのか?ちゃんと学校に通っているのに。これは、悪く言えば、教師と生徒の間の関係を壊し、学校への裏切り行為だ。恐らく、これは、親御さんが、「学校だけでは不安症候群」に陥っている結果だと思われる(子どもも、それに陥っている)。
 多くの学校も、受験勉強で悩まされている。進学の成績が良くないと、親御さんからクレームが付けられるからだ。有名な学校の進学率がいいことを鼻にかけている学校が日本には多過ぎる。
 土台、入る数は決まっているのに。二十歳前の人間の価値が、ちょっとしたペーパー試験で決められるはずがないのに。マスコミも、有名大学や医学部の数を大きく取り上げる。で、そんな状況下で頭でっかちの現場を知らない官僚中心の官僚主導の国家が生まれ、時代の変化に対応できずに、国は多額の借金を抱えてしまっている。今やにっちもさっちも行かない状態になっているのに、又、それが極めて深刻な状態なのに、その場だけ何とかしのげばって感じにまだなっているのが今の日本の姿かな?
 未来を担う多くの日本の今の子ども達には、心安まる時間も空間もない。親は仕事で追われ、会社の倒産、リストラの不安、親の離婚率の増加、自殺の増加、不登校の増加、老後の心配と、問題は山積。
 更にそれに拍車を掛ける様に、本来、いい教育をすべき公立の附属の学校が受験勉強をあおり立てている。 
 大学に入っても、更に試験があって、上級管理試験や司法試験や薬剤師や医師の試験などは、大学でしている内容だけでは不充分で、それなりに又別に受験勉強をしないといけない。 
 こんな中で、ホントのエリートや人間的な教育って、可能だろうか?(可能であるはずがない!)

 教育上、何と効率の悪いことをし続けているのか!そんな競争競争で選ばれた人間に、感性豊かな心優しい人を求めることの方が無理と言うモノだ。

 小児科医をしていて、(この田舎でも)実際にいろんな事例を経験している。
 中学3年のある女の子は、肺炎で入院して熱もあるのに、(11月の)入院中にもずっと猛勉強をしていた。親もその子も、医者の忠告を完全に無視して。
 ある中学生の男の子は、学校のクラブ活動(運動)で忙しく、帰るのが夕方の7時過ぎになっていた。しかも、クラブ活動で休みの日にも学校に行っている。子どもは疲れ切って、正に、虚の状態で来院していた。その理由は、学校の先生がそれにスゴク熱心だからと親が説明していたが。
 小学生の高学年の女の子で、塾に通い、水泳に通い、習字に通い、疲れ切った状態で外来に来ている。親御さんも、何となく理由が分かっているのだが、祖父祖母に気兼ねして、どうにも出来ない状態。で、当の子どもが苦しんでいる。
 今の日本の教育制度自体も、戦後はそれなりに良かったと思われるが、今の時代には、もう時代遅れだ。
 学校は、もっと住民に開かれるべきだ。いつも授業参観が出来るべきだ。裁判員が一般の人に求められる時代だ。校長だって、一般の人の意見が取り入られるべきだ。そして、それなりに、校長に権限がもっともっと与えられるべきだ。
 人生80年の時代だ。勉強なんて、一生関わるもの。小さい時から受験受験でエネルギーを使い果たした人の失っているものも見て欲しい(認知症は、国家公務員が一番多い!)。

 人生、万事塞翁が馬と思います。



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