日本の心・さいき

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子どもの教育はいつから始まるのか?


 ある人が、マカレンコ(教育者)に質問したことがある。
 「子どもの教育は、いつ頃から始めたらいいのでしょうか?」と。
  この質問を読まれた各位は、どんなお考えで、いつ頃から始められているのでしょうか?」。

 A:小学校1年生から。
 B:幼稚園から。
 C:保育所から。
 D:乳児から。
 E:ゆりかごから。
 F:胎児から(胎教)。
 人によって、それぞれ異なったお考えで始められ、努められていると思います。
 マカレンコの答えは、予想以上にさかのぼっていた。
 「教育は、生まれる20年前から始めなければならない」と。
 これは、親から育てられ、成人して、新家庭を営むようになるまでの20年間が、やがて生まれてくるであろう子どもの教育を決定する、という意味を含んでいると思われる。(おおよそ、人間は、親から育てられた様に、その子を育てるものである)
 20年が、40年、60年、80年の教育ともなれば、子どもを教育するということは、孫を教育し、更に、ひ孫の教育へ作用して行くことにもなる。
 温かいきれいな心を持った両親からは、温かいきれいな子どもが育ち、その血は、次に流れて、世代の続く限り、きれいに流れて行くのと同じ様に、濁った心の両親からは、濁った血が渦を巻いて流れて行く。
 きれいな血と濁った血が交われば、濁った血の方が勢力を増すもので、これが現世の姿である。濁りが澄んできれいになるまでには、長い年月の苦労がいる。(白を黒に塗り変えるのは、易しいが、黒を白に塗り変えるのは、難しい)
 戦争時代、子どもまで戦争にかり込み、終戦後は、衣食住と知識偏重に全精力を消耗し、右往左往し、子どもの教育に自信と努力を怠った天罰が、60年後の今日に至って猛威をふるい、毎日、日本中のどこかで、世人を痛めつけている。因果の理で、この事実を誰も否定することは出来ないであろう。
 明治時代の先覚者福沢諭吉の精神は、明治の子である大正を経て、昭和の孫、平成のひ孫に引き継がれ、21世紀を迎えている現代っ児の乳となって、補給されている。
 これ等21世紀の我らのひ孫、更には、ひ々孫の世代を開発する為に、自分たちにのみ都合のいい人作りでなく、世界に誇り得る真の人作りを、お互いの力によって推し薦めて行きたいものである。

 ドイツの諺:「母親の全てのものが、その乳と共に、子どもの口に注ぎ込まれる」

*父(明治45年生)の遺稿より引用。