日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

想定外

  熊本日赤では、54名の人(大半がそこの医療従事者)が、急患で来た人(自殺目的で、揮発性の高いクロルピクリンなる劇薬の農薬を服用)の吐いたモノで気分を悪くして、大変なことになっている。嘔吐した人は、亡くなっている。当院のドクターも、今日そこで朝から勤務しているはず(週1回行っている、今日はスタッフが不足しててんやわんやの忙さだろうなあ)。救急現場では、いろんな人が来る。酔っぱらい、いちゃもん付ける人、(か細い?)ナースや女性のドクターも怖がっている。昔、夜、病院に入院していた患児の見回りをしていたナースが、不意に暗いところから出て来た男を見て、ビックリ。実は、この人、入院していた子どもの父親で、(やっちゃんで)組から追われて逃げていたが、子どもが心配で見に来ていたのだ。優しそうな顔立ちの父親だったけど、人は見かけによらないのかなあ。

(以下、5月21日の毎日新聞社によるニュースより)
 21日午後10時50分ごろ、熊本市長嶺南の熊本赤十字病院=東大弼(ひがしだいすけ)院長=の救命救急センターで、農薬を飲んで自殺を図ったとみられる熊本県合志市の農業男性(34)を治療中に、男性のおう吐物から強い塩素系ガスが発生。吸い込んだ医師や患者ら54人が目やのどの痛みなどを訴えた。受診中だった女性(72)が重症となるなど、計10人が同病院を含む複数の病院に入院するなどした。男性は間もなく死亡した。
 同病院によると、男性が救命救急センターに到着後、当直医の高村政志救急副部長(48)が胃から内容物を吸引するため鼻に管を挿入したところ、突然男性が嘔吐。空調などを通してセンター中に刺激臭が広がったという。死亡した男性は劇物指定の農薬「クロロピクリン」を飲んだとみられる。
 センター内には、発熱で夜間外来に来ていた1〜3歳の子供3人を含む患者や付き添いの家族ら23人と、病院スタッフの31人がいた。重症の女性は腎臓病などのため救急受診中で、同病院は「症状がガスによるものかは不明」としている。体調不良を訴えた人のうち44人は軽症で、快方に向かっているという。
 病院は対策本部を設置し、院内や自宅で待機中の医師と看護師ら計90人を非常呼集して対応に当たった。午後11時50分から防護服を装着した消防隊が約3時間かけてセンター内を除染した。
 男性を治療していて被害に遭い、点滴を受けた高村救急副部長は「現場はパニック状態だった。刺激臭で息ができなかった」と話した。
 死亡した男性は、21日午後10時ごろ、妻から「夫が薬物を飲んで倒れた」と110番があり、病院に運ばれた。クロロピクリンは自宅にあった。飲んだところは誰も見ておらず、遺書はなかった。
 同病院は救命救急センターを22日正午まで閉鎖した。
*クロロピクリン:毒劇物取締法で規制対象となる塩素系の劇物。土壌の殺菌、消毒などをする農薬で、作付け前の農地に散布する。常温では無色(市販品は淡黄色)の液体で、揮発性が高い。わずかな水分で塩酸と一酸化炭素に分解されて粘膜を刺激、のどや目に痛み、呼吸障害などを引き起こす。自殺や誤飲などでの死亡例も多い。空気より比重が重いため、飛散した場合、床に近いほど濃度が高くなり、治療は水による汚染除去と酸素吸入などを行う。