日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

漢方薬

 いろんな意見があろうかと思いますが、私は以下の様に(中国の中医学漢方医の二人の先生の意見と自分の経験から)漢方を使っています。 
 乳幼児(特に3歳未満)の咳や鼻汁には、ペリアクチンなどの抗ヒスタミン剤は、原則的に使用しない。痰が引っかかってかえってその後、難儀することが多いからです。
 膿性鼻汁の時、(抗生剤を使用せずに)辛夷清肺湯をしばしば使っています。細気管支炎の初期では、清肺湯を早くから使用しています(それで、入院が免れた例を沢山経験しています)。鼻閉には、麻黄湯を頓服で深夜使用しています(よく効きます)。
 痰切りや喘鳴を取る意味で、メプチンなどの気管支拡張剤やムコダインムコソルバンの去痰剤も、もちろん使用しています。
 蕁麻疹があって、咳き込んで熱が高い時、抗ヒスタミン剤を避けて十味敗毒湯を使用しています。
 インフルエンザの時は、葛根湯を2日間程使用し(初めの一服は、多めの方がいい様です)、熱が下がればその時点で、柴胡桂枝湯を3日間、熱が下がらなくても、葛根湯は2日間で切り上げて、柴胡桂枝湯を使用しています。抗生剤は、原則的に使用しません。インフルエンザでは、予防的に抗生剤を使用しない方(!)が、中耳炎や副鼻腔炎が起きにくい様です。
 柴胡桂枝湯は、風邪の予防にも使用しています。経験的に、柴胡桂枝湯を2週間おきに3日間連続で処方していると、単なるウイルス性上気道炎だけでなく、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、ウイルス性の急性胃腸炎の症状の軽減になっています(やむなく抗生剤を使用した後や、水痘やインフルエンザの後は、免疫力が落ちることを考えて、積極的にその後に柴胡剤を使用しています)。
 体質改善的な漢方薬の治療として、私が使用しているのは、手足が温かくて胃腸が丈夫な子(腎陰虚)には、六味丸、手足が冷たくて、ほっそりとして、便秘がちな子には、小建中湯を、細菌感染をそれにしばしばそれに起こす子には、黄耆建中湯を長期に使用しています。
 気管支喘息でしばしば感染型で入院していた子が、28日の内、六味丸(22日分)と柴胡桂枝湯(6日分)の処方に代えて、1年中、外来で元気に過ごせた例を何例も経験しています。
 細菌の感染を疑って検査もせずに初めから抗生剤を使用したり、乳児にペリアクチン+アスベリンの処方、熱にアセトアミノフェン、この処方には、疑問を感じてきています。
 熱冷ましには、虚の子どもには(脈が弱く、汗っかき)、桂枝湯を処方していますし、突発性発疹症が疑われれば、(高熱、口渇で)白虎加人参湯を、又、熱が高くて顔や手や足先も真っ赤で興奮気味であれば、黄連解毒湯の注腸をしています。
 嘔吐の時は、五苓散の注腸を、喉の痛みには桔梗湯を、頭の痛い風邪症候群には、川きゅう茶調散を使用しています。
 健康を維持する為には、当たり前ですが、適度な運動、睡眠、食事、それに、気の持ち方、そして、姿勢だと思っています。背筋を正しくすることが、免疫力アップにも、つながっていると思っています(喘息の子どもは、猫背になる傾向あり)。
 59歳の小児科勤務医です。来年の4月で、一応、退職予定のモノです。19床の小児科だけのベッドも持っての開業もしていましたし、1日に300人以上診たこともあります。延べ100万人近く診ての私のつたない経験です。
 いろんな考え方があろうかと思います。何かの参考になれば、幸いです。