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週58時間何て・・・

 労働時間は週58時間以内が基準(平成20年5月2日、Japan Medicine)

 日本小児科学会の代議員会・総会が4月26日行われ、2次医療圏の基幹施設となる病院小児科を、「地域小児科センター」として認定する制度を推進していくことを決めた。藤村正哲小児医療政策室長(大阪府立母子保健総合医療センター総長)は、「代議員からさまざまな意見が出されたが、最終的に小児科医の労働環境の改善と良質な小児医療の提供を目指して、認定制度を実現していこうという方向が了承された」と述べ、4年をかけた構想が一歩進むことに強い期待感を表明した。順調に進めば来年早々にも、暫定基準による地域小児科センターの認定施設が誕生する。

疲労度増すと離職への思い増す 労働時間短縮がカギ
 代議員会・総会に先駆けて行われた総合シンポでは、地域小児科センターは病院小児科の重点化・効率化の望ましいあり方を追求し、病院小児科医の勤務環境の抜本的改善のための方策として、この認定制度が位置付けられた。
 認定制度準備小委員会の舟本仁一氏(大阪市立住吉市民病院小児科)は、地域小児科センターの小児科医の労働条件に関する認定基準について「時間外を含め週労働時間を最大58時間以内」とした。
 これは最低限順守すべき基準で、可能な限り週40時間に近づけることが望ましいとしている。
 こうした労働時間の削減は、今の小児科医師のストレス・疲労を軽減させるのに必須としている。例えば、小児科医の疲労度調査によると、疲労度5以上は疲労度ゼロに比べて「真剣に離職を考えている」割合が6倍以上に増え、仕事の満足度が10以上になると、10未満に比べて「離職を真剣に考えている」割合は約4分の11減少するなど、労働時間の短縮化が喫緊の課題となっている。
 一方、フロアからは「2008年度診療報酬改定における小児科に付いては、小児科医20人の算定要件がつくなど、極めて残念な結果だった。地域小児科センター構想を推進していく上で、経済的担保がしっかりしていないと、施設内での合意形成が厳しい」とする意見も出るなど、次期診療報酬改定を見据えた対応が求められた。
 藤村氏は、今後の小児科医療の経営的安定化を考えた場合、社保委員会を中心に地域小児科センターの診療報酬の在り方などを軸に検討していくことになるとした。

認定基準 人員体制、労働環境などの基準を明記
 学術集会では、地域小児科センター認定制度の認定基準が報告された。
 認定する病院小児科の前提条件については、疲弊する小児医療の現状を改善するためには小児医療の重点化は不可欠であり、その実現のための地域の合意は最も重要な条件としている。
 特に、地域小児科センターは、圏域における小児医療の研修を実施していることや、病院の基本的機能として日本医療機能評価機構認定病院であることが必須としている。
 圏域の中心病院である地域小児科センターが提供する医療サービスは、救急型、NICU型、救急+NICU型の3つの型のいずれかの医療サービスを提供している。一般小児型の救急体制と、周産期型の救急体制は必要とされる人的・設備的体制は異なるため、どちらかの体制が整備されていることを、地域小児科センター申請の必要条件としている。ただ、救命救急医療の提供は、必要条件ではないとしている。
 提供する医療サービスは、<1>小児科各分野の臓器専門医療を提供。必要な検査・診断・治療などを実施<2>小児医療、保健、医療従事者の教育・研修を総合的に進めるために、それぞれのネットワークが構築されている<3>特定機能病院以外においては小児入院医療管理料2の施設基準を満たす<4>保育士配置、プレールームが加算できる施設基準を満たす−などが挙げられている。

深夜勤務明けは帰宅が原則に
 小児科医の人員体制・労働環境については、地域小児科センターが小児のための適切な医療体制と適切な医療従事者の労働環境を実現するため十分な人員配置がされている必要がある。
 さらに、この体制は入院機能、外来機能ともに整備されている必要があるとしている。
 小児患者に対する診療を行うための十分な看護師配置も求められている。
 労働時間については、<1>平均して週58時間以内とする場合には、労働基準法第32条の2または4に基づく変形労働時間制の協定を締結する<2>深夜勤務明けは帰宅を原則とする<3>週に1日以上の休日を確保する−などが認定基準として盛り込まれている。

時間外賃金の割増基準も明記
 小児科医師の給与については、時間外割増賃金の支払いが基準にそって進められるとしている。
  時間外の割増賃金の支払いは、<1>平日の時間外で2割5分増以上<2>平日の午後10時から午前5時までは5割増以上<3>休日は3割5分増以上<4>休日の午後10時から午前5時までは6割増以上−となっているほか、女性医師・妊産婦医師・パートタイム医師の処遇などの基準も明記された。
 小児科の経営収支については、小児科の経営収支が黒字の場合に病院が小児科に供与するメリットシステムが明示されていることや、小児医療を対象に受け取る補助金の小児科配分システムの明示が基準となっている。

*ムーッ、理想的ではあるが、実践となると・・・。20人の小児科医何て、そんなに沢山の数、どこから集められるのかなあ?患者教育が大切と思いますが(夕方から熱が出ただけでは、急患でない。朝まで待てない場合は、どんな時か、地道に教育して行く必要があると思う。どうしてもの時は、時間を区切ってその時だけ診る様にしたらいいと思う。小児科医の資源は限られているのだから、患者さん側の協力が必要だと啓蒙していくべきではないだろうか。遠回りだけれども、結局は、皆がこれで楽をする方法ではないだろうか・・・?!)、そんな内容は、議題にも上らないみたいだなあ。