日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

小児科・・・

 NHKの番組で、医療の討論で、医師に対しての一般の人の意見が紹介されていた。
 「短い時間で、薬をくれるだけで、こちらが納得できる感じで治療をしてくれない・・・」
 「もう、治りませんよと(冷たい言い方で)はっきりと言われた・・・」
 「貴方の病気は、必ず治りますと言われた先生がいて、それから、元気になれた・・・」
・・・・
 医師側の発言もあって、・・・(私達も、反省すべき所は反省すべきだと思いますが)沢山の患者さんを診ないといけないので、一人一人に満足できる程の時間が掛けられない、・・・。
 ムーッ、なかなか難しい問題ですね。
 小児科で単純計算してみましょう。病院の場合、初診診察やちょっと検査をする必要のあるケースが多く、一人一人、しっかりと診察して、時々処置や検査をして、自分の満足する感じでするとなると、一人20分近くを要する(今は、5分以内の診察で終わると、点数が削られる様になっているが、これって、小児科だけの開業の先生にとっては、大変だろうなあ)。病棟の受け持ちの患者さんの診察などがあると、その回診を終えて、朝、9時に診療開始となる。で、12時に終わるとなると、わずか、9人しか診れないことになる。これだと、親御さんにとっては、大変満足でしょうが、小児科の様に点数の低い科だと、完全に採算が合いません。
 採算の合わない小児科なので、小児の入院は、約7割が、公の病院となっています(内科の場合は、個人が7割)。
 私の場合、8年半、19床で開業していたのですが、・・・小児科の場合は、多い時と少ない時が極端で、夏場や秋の季節のいい時は、完全に赤字でした。統計上、8月〜11月は、赤字、12月〜3月は、黒字、4月〜7月は、トントンでした。入院も、入院患児0人が2週間近くも続くと、経営上、心細くなっていました。それなのに、冬場の多い時は、細気管支炎やロタウイスルによる急性胃腸炎などで、19床の入院ベッドが満床になって、何故か、19床に25人も入院していることもありました。
 14床の入院設備を持って、時間外も働かれていたある小児科医(今は、小児科医の息子さんが帰られて、入院ベッドを持っていませんが、まだ、それなりに小児救急をされている)が私に次の様に言ったことがありました、・・・「これが、小児科じゃなかったら、クラが立ってるヨ」と。
 その奥さんが次の様に言われたことがありました、・・・「仕事の疲れで、寝ている時、時々、息が長く止まった感じになっている時があって、起こそうと思っていると、又、ちゃんと息をするんですが、・・・その時は、心配で心配で、このままほんとにそのまま息が止まるんじゃないかと思ったこと、何度もありますよ・・・」と。
 開業医時代には、自分に関しては、労働基準法も、有給休暇も、完全になかったなあ・・・(当たり前か!?)。