日本の心・さいき

日本の心で、世界平和の実現を!

続・イラクからのメイル(11月26日の昼に受け取る)

 お世話になっています。
 師走も近づき、熊本も随分冷え込んできたと聞き及んでいますが、みなさんお元気でお過ごしでしょうか。イラクより○○です。こちらも朝夕は随分冷え込むようになり、ここ△△先生宅には、ストーブが引っ張り出されました。
 こちらでの生活も、早いもので残り10日ほどとなりました。最初の1週間は何もかもが慣れない環境でしたので1ヶ月もつかな?との不安にも駆られましたが、幸い、ここ内視鏡センターのスタッフは皆とても優しく接してくれ、和気藹々と過ごすことができています。心配していた衣食住も、△△先生宅に住んでいるので、あまり不自由は感じません。食事も、肉(牛、鶏、羊)、ナン、トマトベースのスープを中心としたハイボリューム、ハイカロリー食で、なかなかいけます。お陰で随分太ったので、最近は、△△先生と朝から近くの公園で30分ほどジョギングをし、一汗かいてから仕事に向かっています。
 ここに来て、一番の収穫は、やはりイスラムの文化に触れることができた事ですね〜イスラムというと、悪い印象が先行してしまっていたんですが、実際に接してみると、信心深く、平和を愛し、家族の繋がりをとても大事にする人達です。家族のキズナは日本以上だと感じます。内視鏡センターでは、昼休みには癒し系音楽を聴く感覚で、コーランを流します。それを気持ちよさそうに聞き、時にはそれにあわせ鼻歌を歌っています。きっと脳からはα波が湧き出ているのでしょう。毎日、犬の遠吠えのようなコーランを聴いていると、こちらも気が滅入るので、試しに長渕剛を流してみたところ、「心に響く!」と好評でした(笑)。
神への祈りを1日5回、しっかり守っているスタッフも数名います。検査を始めようとスコープを握ろうとすると、「お祈りするから5分待って」と、患者がすでに検査台に寝ているにも関わらず、手足顔を清め、その隣でお祈りをはじめます。お祈りによって心と体の両面が健康になるとのことです。
 患者への対応ですが、日本人医師の感覚から見ると、目を丸くするような信じられないことが多数あります。多少の無礼(かなりの無礼と言った方が正確かも?)も何のことなしです。ERCP検査前のインフォームドコンセントは30秒で終了。結果についても2分以上話しているのを見たことがありません。でも、これらは医師患者関係の全面的な信頼関係から成りたっているからできることで、良し悪しの問題ではないんですね。文化の違いを見ることができ楽しいです。
 またイスラム文化は、客人を本当に大切に扱ってくれます。入れ替わり立ち替わり、夕食やピクニック(休日はピクニックに限る!という習慣あり)に誘っていただき、毎晩のようにアルコールが入ります。△△先生はアルコールが入るとさらに元気になり、おもしろ話で皆を惹きつけ、ついつい遅くまで深酒してしまっています。
 こんな状況でなんとかやっております。最後になりましたが、寒さが日一日と増して参ります。風邪などひかれないようご自愛ください。