ゴールデンウィーク後に、佐伯に帰ってから、4回程、母の所に行っている。
で、いつも、母が好きと思われる曲を篠笛で吹いている。「赤い靴」を吹くと、「横浜の波止場から・・・」と2番から歌えるのに、1番の歌詞が出てこない。曲名を尋ねても、1番の歌詞が出てこないので、答えられない。しかし、曲は、しっかりと覚えている。「荒城の月」を演奏すると、直ぐに曲名が言える。
「頭がクルクルパーになっている・・・」と言う。しかし、(この4回とも)とても顔の表情がいい。幸せそうな顔をしている。昨年とは、全く違う顔付きだ。お金のことは、もう、言わなくなった。
「欲しいものは何もない!」と言う。「悩みは、今は何もない!」と言う。そう言いながらも、「今から、病気であまり苦しみたくない。」とも言う。まだ長生きしたいと思っている様だ。今日は、「後、ひょっとしたら、10年ぐらい生きられるかも知れん。」とも言った。
何度も、同じ質問をする。「いくつになったんか?」「定年は何歳か?」「子どもはどうしているんか?」と。
そうだなあ、このままでいいんだなあ・・・。来年は、90歳になる。母の兄弟は、全て他界している。母だけが生きている。
現在、(血のつながった)孫が10人、ひ孫が4人もいる。まともに心配してたら、気が滅入ってしまうだろう。
もう、この歳になってまで、いやなことは、思い出したくもないだろうし、今まで、苦労を、さんざん悩んできているので、今から、もう、いろいろ悩みたくないだろう。
今まで苦労してもらったので、ご褒美に、神様が認知症を与えてくれたんだなあ。
「息子が分からなくなったら、終わりよなあ・・・」と言ってくれる。
「お母さん、又、来るから・・・」と言って、夕方、(家内と)そこを出た。
↓(10番目に生まれた)孫が作った曲。
http://www.youtube.com/watch?v=nEnDWyJTbFo&feature=player_embedded